新型コロナウイルスはあっという間に世界中に広がり、生活様式や経済の変容をもたらした。

感染拡大による非常事態のもとでは、社会的に弱い者から順に追い詰められていく。多くの自営業者や中小企業などが休業や「開店休業」に追い込まれ、非正規雇用層で失業が広がるいっぽう、政府による経済支援策は迅速かつ充分とは言えず、多数の困窮者を生み出した。また、学校の休校や施設の利用制限、さらには外出自粛要請によってさまざまな社会活動がストップし、その陰で安心できる居場所を失い、生きづらさを抱え込んでしまった人が生じている。未経験の社会課題がつぎつぎに表出しつつある状況だ。

ボランティア・市民活動分野においても影響は大きく、多くの団体が活動の方向転換を余儀なくされている。今号では、東京ボランティア・市民活動センターが行ったボランティア・市民活動団体へのアンケート結果や事例から、直面している課題や活動の工夫、新たな取組みなどをまとめ、この状況を乗り切るヒントを探りたい。