ボラ市民ウェブ
TVACニュース

(2010年11月7日 / 池田明彦 )

TVACレポート

トーキョー協働空間見学ツアー訪問レポート①
みんなの実家@まちや

キーワード
協働空間 、 みんなの実家@まちや 、 荒川 、 子育て

まちの中で人びとがふれあい、つながる場づくりの実践が、

ボランティアや市民活動団体、NPOの手で広がっています。

東京ボランティア・市民活動センターでは、こうした場所・拠点を『協働空間』と呼びながら、

現場見学ツアーを開催しています。

その現場レポート1回目として、9月8日に見学した『みんなの実家@まちや』のレポートです。


●トーキョー協働空間見学ツアーについて




雨が降っても、行きたくなる皆のスペース


画像


9月8日(水)に8名(TVACスタッフ含む)でお伺いしました。当日はあいにくの雨でしたが、「みんなの実家@まちや」(以下、「実家」)に着くと、子どもが遊ぶ楽しい声が聞こえてきました。そして、ボランティア・リーダーの高山恵美さん他スタッフの皆さんが暖かく向かえ入れてくれました。

「実家」は、看板がなければ通り過ぎてしまう閑静な住宅街の一軒屋(2階建)。この建物の主は、元桐箪笥職人(故人)の夫人で、居住スペースの2階を除く1階スペースが「実家」の運営主体である「35(産後)サポネットin 荒川」(後述)に貸し出されています。


以前は別の場所で活動していましたが、保育で使いにくい構造であったため、物件を探していたところ、荒川区社協の仲介によって、2009年(平成21年)2月26日からここへ移られたとのこと。玄関は一つで、大家さんと共用になっています。玄関を入って右手は保育スペース、左手にはおむつ換えや授乳などで自由に使えるスペース「荒川ベビーステーション」および事務室となっています。また突き当たりには、左手がダイニング、右手には畳の部屋があり、名前のとおり、実家のようにホッとできるスペースが設けられています。




「実家倶楽部」は、子育てママさんの強い味方


画像


実家倶楽部は、「実家」で取組まれている4つのプログラムのうち、その中心となる活動です。月水木金の5時間程度、親子が自由に遊べる場として開放されています。初回のみ利用についての説明と簡単な登録はあるものの、その後は「予約なし」で、しかも「無料」で親子が利用できるのが好評です。


実家倶楽部のプレイルームでは、子どもが遊んでいる間にベテランのボランティアに子育ての悩みを相談したり、ママ同士の情報交換の場所でもあります。また、畳の部屋ではお弁当を食べたりできます。時には仮眠を取るお母さんもいます。ママさんからは、「畳があって本当の実家みたい」「くつろぎやすい」などの声があがっています。施設利用の基本的なルールはありますが、それ以外は柔軟に対応されているそうです。

利用者は保健所の紹介や口コミで利用に到る人が多く、荒川区内在住者中心に近隣区から来られる人もいて、1日の平均的な利用は10組〜15組程度。かつて1日25組くらい来た日もあるそうです。


一方、担い手はほぼ主婦層で年齢は60代前半の方が多く、荒川区社協が区と開催している「子育てサポーター養成事業」からつながる人や口コミにより確保されています。リーダーは1日を通して、他のボランティアは1日2時間を限度に1日4人ほどで担当されています。責任をもって親子に接してもらう意味でボランティアには有償による協力という形態をとられています。


「今後は、より担い手の確保が循環していくようにしていきたい。3歳以上の子どもの溜まり場を拡充するなど活動を広げていきたい」と抱負を語る高山さん。まだまだ終わりはないようです。

(東京ボランティア・市民活動センター 池田明彦)




「35(産後)サポネットin 荒川」とは?

2004年(平成16年)に首都大学東京(東京都立保健科学大学)と地域ボランティアが立ち上げた子育て支援プロジェクトで、元首都大学東京の恵美須文枝教授(専門:助産学)と地域代表の藤田房江さんが共同代表。当初、35(産後)サポネットin荒川では、生後6ヵ月までのお子さんがいる家庭への訪問、短時間の育児や家事援助のサポートなど「産後支援」を中心に活動を展開してきました。利用者のママさんから生後6ヶ月以降「どこに行ったらよいか不安」「密室の保育になってしまう」「居場所がほしい」という声があがってきたため、「みんなの実家@まちや」という拠点による子育て支援の実践を開始しました。実家は、2010(平成22年)から地域子育て支援拠点事業(子育てひろばC型)の補助金により、今まで以上に安定した運営がなされています。




みんなの実家@まちや(荒川区)

「みんなの実家@まちや」は、一軒家を使った子育てスペース。「子連れでも、本当の実家のようにくつろいでほしい」との願いから、予約なしで、好きな時に好きなだけ訪れることができる場所としてオープンしました。子育て中のお母さん同士、子育ての先輩“近所のお母さん”とのおしゃべりの中で、少しずつ心がほぐれます。曜日によってプログラムが異なり、一時預かりや助産師による講座も開催されています。*当日は、実家倶楽部の日です。

〔ウェブサイト〕hthttp://www.geocities.jp/kosodate_arakawa/jikka.html
















情報を探す