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(2005年9月10日 / 八木亜紀子 )

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アジアの便利な道具の巻

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とある仕事でインドネシアに行ってきました。

バイクの洪水、巨大なマンションとショッピングモール、はまると抜け出せない大渋滞・・という喧騒のジャカルタを離れ、西ジャワの農村に足を運びました。

その村では、日本のNGOと村の青年たちが農業による村づくりを目指して活動しています。一見のどかな農村ですが、かつてほとんどが雇われ農民だった村人たちは野菜や米をつくる技術を持たず、村づくりへの意識もあまり高くはありませんでした。村人たちは、農業支援や共同組合づくりのプロジェクトがはじまってから、「ゴトンロヨン(助け合い)」の精神が復活したと言っていました。

とはいえ、日本と比べるとはるかに村人同士の距離は近く、水場やモスクを共同で管理し、人々はよく話し、よく笑い、みんなで子どもを育てています。青年たちは家族やお年寄りを大切にし、夢を持って勉強しています。日本のNPOや市民グループが模索している、「安心して子育てできるコミュニティ」や「お年寄りが住みやすい町」、「顔の見えるコミュニティ」がここでは当たり前のこととして機能しています。

また、日本のようにあふれるように物はないけれど、暮らしに合った道具を大切に、工夫して利用しています。その中でも、わたしが「すごい!」と思ったのが、「サルン」。東南アジアから中東地域にかけて、1枚の大きな布を様々に利用する文化がありますが、この村では、誰もかれもが上手に毎日使っていました。1枚の筒状の布「サルン」が、服に、寝具に、バッグにと大活躍します。いくつか使い方をご紹介します。

赤ちゃんのだっこひもとして。小学生くらいの子どもたちがよく赤ちゃんの面倒をみています。

畑仕事に行くときも便利。バスケットの中にお弁当や仕事道具を入れて、サルンで包んでリュックにして背負います。そのほかにも、ショルダーバックのようにしたり、前掛けのようにして物を運ぶこともできます。


もちろん、スカートやドレスとして着ることもできます。わたしは寝袋として、サルンに入って寝たり、夜は防寒着として着たりしていました。とにかく便利な「サルン」です。


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