“みやけの風”を感じて②〜「風の家」での一日

三宅島の名棟梁、故宮下英雄さんによって20年前に建てられた関東大隈流指物民家です。

島の南西部、海に向かう長い坂の途中にある古民家風のこの建物。

ここが、みやけじま<風の家>です。

http://www.miyake-kaze.net/

ボランティアが運営するこの「家」は、島のあちこちから、時には島の外からもいろんな人が集まって一日を過ごすところ。

風の家のとある一日の様子をご紹介します。

朝9時、ボランティアが集合します。

今日も天気は快晴。

暑くなりそうです。

家の掃除や庭の水まき、食材の買い出しなど、一日の準備を始めます。

10時頃、利用者の高齢者を乗せた送迎ボランティアの車が到着します。

ボランティアと利用者が、のんびりとおしゃべり。「暑いねぇ・・・」

まずは冷たい麦茶を飲みながらのおしゃべり。

「いやー、今日も暑いですね」

「でも三宅は風が吹くからね、日陰に入ればまだ涼しいんだよ。冬よりは夏の方がいいよ。」

「確かに・・・。ここも風が良く通って気持ちいいですねぇ。」

アシタバが茂る庭を眺めつつ、のんびりとしたやりとりが続きます。

台所では島のおっかさんたちが、お昼ご飯の支度に忙しく動き回ります。

みんなで食べるご飯は楽しくておいしいです。

12時。

待ちに待ったお昼ご飯。

今日のメインは新鮮なムロアジのフライです。

魚はとれたばかりのものを島民の方が差し入れてくれました。

揚げたてを中濃ソースでいただくと、白いご飯と相性バツグン。

ミョウガのみそ汁がまた泣かせます。

体操もします。

お昼ご飯を食べたら、みんなでトランプのババ抜き大会です。

のんびりムードは一転、勝負は思いのほか白熱します。

「おー、そろった、そろった。ほれっ」

「あー、やられた〜!」

そして、続いてうたの時間。

「ゆうやけこやけ」から「青い山脈」、「荒城の月」などなど次から次へと全10曲以上をみんなで歌います。

それからまた、みんなであれこれおしゃべりしていると、いつのまにやら時計は3時をまわっていました。

「それじゃあ、またこんど」

風の家の縁側からの景色。涼しい風が家の中を吹き抜けていきます。

風の家の一日は、そんなふうに過ぎていきました。

つづく。