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(2006年11月26日 / 綱川泰章 )

TVACレポート

三宅島で課題別研修を開催しました!

キーワード
災害

画像研修スタート前(三宅島漁協会議室にて)

近年、地震や水害等災害発生時には、区市町村ボランティア・市民活動センターを中心に「災害ボランティアセンター」を立ち上げ、地域内外から駆けつけるボランティアのコーディネート等が行われるようになりました。

しかし、一方では行政やNPOとの協働、あるいは災害の種別対応等において多くの課題を残しています。また被災後の地域の復興にむけた支援も特に重要になることから、今年度は東京の災害地でもある三宅島(2000年雄山噴火災害)において、研修することになりました。

画像発表いたしまーす

研修内容については、現在も復興途上の三宅島の状況等を共有しながら、「災害ボランティアセンター」の役割と機能、行政との関係、NPOや関係団体のネットワークのあり方などについて具体的に検証し、日ごろからの活動に資することに重点をおきました。


最初に「災害時におけるボランティア活動の課題と今後の取り組み」をテーマとして、三宅島災害・東京ボランティア支援センターのスタッフでもあり、みやけじま<風の家>の運営スタッフでもある坂上さんや、三宅島社会福祉協議会事務局の桑村さんによる基調報告をいただきました。

画像風の家にお邪魔して

報告の内容は、2000年9月の全島避難から島外での避難生活及び、2005年2月の全島避難指示解除から今日に至るまで経緯、また今後の活動予定、この震災を通して出合った方々の、やさしさに触れた体験談などでした。

その中の1つに、避難生活場所が様々な地域に分かれているため、離れ離れで暮らす島民の方々が、「避難前と同じよう連絡がとれたら」と思い、三宅島支援センターでは避難先の電話帳を作成した話がありました。

電話帳の完成までには、まず島民の避難先や電話番号を聞き出すことからはじまりますが、避難先の情報が乏しく、また島民の一人ひとりに確認のうえ電話帳へ掲載するため、困難を極めました。参加者はこの苦労話に熱心に耳を傾けていました。


画像くさやの説明

また今回の研修課題の重点でもある「被災生活支援期における対応〜被災ニーズをどう把握するか」については当センター副所長の安藤がファシリテータとなり、ワークショップを行いました。


「避難所・在宅」から「仮設住宅」へと移り変わる生活においては、三宅島の体験談を参考にイメージを膨らませ、ニーズの違いやニーズの掘り起こし作業に、被災者の立場にたった支援の方法について、熱心に議論されました。


そしてまとめの部分では、今回の研修により平常時のセンターの活動として、地域の方々と顔の見える関係作りを強化するプランも発表されました。

画像三宅島(雄山)

2日目の島内視察では、神着(かみつき)地区にあるくさやの製造販売(清漁水産)に立ち寄り、工場の見学を行いました。全島避難指示を受けたとき「くさやのたれ」を持ち出した話、また再開する時に避難先の新島の方に「くさやのたれ」を分けていただいた話(通常はたれを分けるなどありえないとのこと)など、災害を経験した人にしか分からない貴重な話を聞くことができました。


最後に、今回の研修にご協力をいただいた三宅島の方々をはじめ、研修に参加された各センターのスタッフの方々に、感謝とお礼を申し上げます。

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