日本の環境問題への関心の薄さ---このままじゃいけない

「えこひろば」は、資源やエネルギーを大切にする暮らし方に関心をもつ人を増やすために、身近なところから環境について考えていくNPO法人である。

代表を務める阿部晴子さんは、以前、ご主人の仕事でカナダに暮らしていたことがあった。カナダといえば、面積は広いし、資源にも恵まれた国である。阿部さんはカナダから帰国して、生まれ故郷の世田谷区に戻ってきてふと気がついた。豊かな国であるカナダでさえも、ごみの分別などのリサイクルについては、日本よりもきちんとしていた。ところが日本はどうだろう。国は狭い、資源は少ない、しかもごみの処理はいいかげんだ。このままではいけないのではないか、と思った阿部さんは世田谷区が主催するごみ問題を考えるワークショップに参加した。

そこで知り合った人たちなどが、平成元年に「リサイクル型社会をめざす世田谷区民の会」を結成、平成4年ごろからごみ減量、リサイクルについての啓発事業を区にはたらきかけた。平成10年には区の三軒茶屋リサイクル情報コーナーで展示や講習会、懇談会などの啓発活動をはじめ、平成11年には「えこひろば協議会」を組織した。地球の温暖化をはじめとして、社会にも環境問題を真剣に考える動きが出てきて、広く環境について啓発事業をすすめるため、啓発施設の運営を視野に入れて、平成12年NPO法人化に踏み切り、「えこひろば」ができた。

「えこひろば」の合言葉は「楽しく・お得に・省資源」である。環境について考えることが大切だとわかっていても、一般市民に理解してもらい、実践してもらうことはむずかしい。たとえば、「再生紙を使用したトイレットペーパーを使いましょう」と呼びかけたとしても、「わたしは昔のモノがない時代に、灰色をしたゴワゴワのトイレットペーパーを使っていた。それはとても使いづらかった。でも今は豊かな世の中になってお金を出せば、なんでも買える。お金を出すのは私だから、私は白くて柔らかいトイレットペーパーを使いたい」という人は少なくない。便利で心地よいモノがたくさん売られている、私はそれを買うお金がある、となれば誰に遠慮する必要があるだろうか。環境という財産を個人の財産、便利さと同等に考えてもらえるようにすることはなかなか大変である。だからこそ「えこひろば」では「楽しく・お得に」を前面に打ち出しているのだ。

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