地域に密着した商店街にしかできないことを

東京都練馬区の北東、東武東上線・東武練馬駅のそばにあるニュー北町商店街。江戸時代に宿場として栄えた面影を残す。この商店街から始まったボランティア事業が、いまやNPO法人格をもつ「北町大家族」という団体に成長した。「人が集まってくれたら町が元気になる。商店街で帰りがけに買い物をしてくれたら、売り上げが上がる。なによりも、知らない人同士が知り合う場ができる。いいことづくし」と、同法人理事長の村上孝子さんは胸をはる。

きっかけは1999年、駅前に大型店が進出したこと。歩いてわずか5分に位置するニュー北町商店街は不安に満ちた。物量では到底勝ち目はない、それならソフト面、心で勝負しようと考えた。地域に密着した商店街にしかできないことをしようと「商店街やさしさ宣言」を発表。長いこと地元の人たちにお世話になったお礼の気持ちを込めて、何か役立つことをと考え、2000年に「北町ボランティアセンター」をオープンしたことが、現在に続く活動を行う契機になった。

センターを設置したのは、商店街の並びにある「北町アートプラザ」の2階で、1階は貸店舗になっている。商店街が所有している建物で、2つに仕切ることができる60畳の畳部屋と舞台がついており、多目的に使用できる。スクリーンを降ろすと映画の上映もできるようになっていて、比較的元気なお年寄りの憩いの場として役立つのではと考えた。ちょうど4月から介護保険制度が始まる時期で、自立と判定された人がデイサービスに通えなくなるというところからの発想でもあった。

2000年2月から、商店街の女将さんたちが中心となり、特養ホームの見学をしながら、話し合いを進めた。団体名は「北町大家族」、憩いの場の名称はミニデイホーム「北町いこいの家」と決め、地域に呼びかけてボランティアを募っていった。

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北町ボランティア活動センター 北町大家族 「商店街の中の協働空間」 閉じる つぎへ 東京ボランティア・市民活動センター