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(2009年3月12日 / 宮田幸次 )

TVACレポート

家族介護を考えるつどい開催レポート

キーワード
介護 、 家族 、 男性 、 ボランティア 、 地域 、 つながり 、 高齢者

去る2009年1月31日(土)に、東京ボランティア・市民活動センターにて「家族介護を考えるつどい」が開催されました。

このイベントは、長年、家族介護に関して様々な助成をおこなっている、財団法人キリン福祉財団に助成事業としてご協力をいただき、初めて行われました。初めての開催にもかかわらず、参加者の思いが溢れ、活発な議論がなされました。



このつどいに先立って、家族介護者の会について調査を行い、参加者数が少ないということや参加者層が限られているなどの課題、男性介護者の状況など様々な様子が伺えました。


画像午前中に行われたシンポジウムの様子

午前中にシンポジウム、午後に分科会と全体会、懇親会というプログラムで進められました。

午前中に行われたシンポジウムでは、「地域で支える家族の介護」というテーマで、「シルバーバックの会」の望月祐子さん、「すずの会介護情報誌編集委員」の森田幸子さんのお二人から、会の状況や課題をお話いただきました。

その中には、男性介護者ならではの課題や会のあり方とともに、お互いのつながりや語ることの大切さといったことが出されていました。



画像参加者から活発な意見が出されました。

午後には、各分科会や全体会、懇親会が行われました。

第1分科会では、「あって良かった。介護者の会づくり」というテーマで進められました。

その中で、重要なポイントとして3点が挙げられました。

1つ目に、集まる場作り。2つ目に、資金の確保。3つ目に、社会福祉協議会や行政の支援。

これら3点が、会づくりを考える上で重要であるというお話がありました。



第2分科会では、「地域が理解しささえるために」というテーマで進められました。

会の立ち上げ方や参加者、家族といったものには、同じということは無く、多様性という側面を持っています。そこで、介護者を支えていくにあたって、ピア・カウンセリングすなわち介護者同士の相談の大切さ、それから、介護技術の伝達、地域の情報の伝達、行政サービスの共有化というものの必要性などが話されました。



画像男性の介護について話し合い

第3分科会では、「つながろう!オヤジ介護・オトコ介護」というテーマで進められました。

家族介護の中でも男性の介護という部分に焦点を当て、例えば「それまで家事もしたことが無く、料理一つとっても大変だった」など男性の視点からの状況や課題、今後のあり方といったことについて話し合われました。



画像各分科会で話し合われたことをご報告いただきました。

全体会では、各分科会から報告を受けた後、立命館大学の津止先生からお話をいただきました。

なぜ今、家族介護なのか?という点から、これまでの家族介護の歴史と施策に沿ったお話がり、今、本人支援という流れになっている中で、家族の負担が後ろに追いやられ、問題として捉えられなくなりつつあるということを取り上げていました。

「家族に介護を続けさせるための支援は必要ですが、家族が介護から開放されるための支援もあわせた、両方を見ながら考えていくいい機会となりました。」

そんなお話が出されました。



交流会では、介護や会の話から、それとは関係のないお話など、交流を深めておられました。



より詳しい報告は、当センター情報誌「ネットワーク No.299 2009年3・4月号」で掲載予定。興味のある方は、そちらも併せてご覧ください。

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