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(2018年8月30日 / 相談担当 )

お知らせ

東京ボランティア・市民活動センター
自分たちで「寄付」を集めるための8つのステップ

キーワード
災害 、 ボランティア 、 寄付 、 募金 、 義援金 、 支援金 、 募金箱 、 街頭募金 、 寄付アクション 、 地震 、 台風 、 水害 、 土砂災害 、 噴火

自分たちで「寄付」を集めるための8つのステップ

災害が発生すると、東京ボランティア・市民活動センターにも、多くの方から「被災者の方の支えになりたい」、「いまできることは何か」というお問い合わせ・ご相談をいただきます。

地震や水害などが発生すると、ボランティアの安全確保や道路の寸断・渋滞等の交通事情、宿泊施設等の事情から、市外・県外からのボランティア受入れが難しくなる地域も多く出てきます。今すぐにでも被災地にかけつけて支援活動を行いたい方も多くおられ、とてもありがたく感じていますが、すぐに駆けつけることが被災地にとって、またご自身の安全面でもよくない場合もあり、悶々とすることが多くあります。

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一方で、数日立つと義援金(被災された方に直接届く寄付)や支援金(現地で支援活動等に取り組む団体に届く寄付)の募集が始まります。「被災地に行って支援したい」という気持ちをこうした後方からの支援活動に向けて頂くことも災害発生初期の段階では、とても大事なことです。

「今から、できること」

「ここから、できること」

「私に、できること」

「いま必要とされていること」

さらに、寄付はひとりでやるのもいいけれど、ご家族やお勤め先、学校、お友だちなどに声をかければ、もっと大きな力になります。自分たちで「寄付」を集めるためのアイデアをまとめました。

お金はとても役に立ちます。

被害にあわれた方の生活の支えの一部に役立てていただくことができます。

被災地で必要なものを、ニーズにあわせて調達することができます。

皆さまのあたたかいご支援をよろしくお願い申し上げます。


◆このページについてのお問合せは

東京ボランティア・市民活動センターへどうぞ

Tel:03-3235-1171

自分たちで「寄付」を募る 「寄付アクション」8つのステップ

いま、義援金・支援金などの「寄付」を多くの自治体・団体が募っています。

私たち一人ひとりの「寄付」は、被災地域と、そこで暮らす方がたのこれからの生活に役立てていただくことができます。

「寄付」は、寄付受付窓口に自分で募金をすることだけでなく、いろいろな方法があります。

もちろん、自分たちで「寄付を募る」活動をすることもできます。

ここでは自分たちで「寄付」を募る方法と実行までの流れ(寄付アクション)をご紹介します。

ステップ1. 仲間を募る

ステップ2. 寄付先を決める

ステップ3. メッセージを考える

ステップ4. 「寄付アクション」(具体的な方法や計画)を決める

ステップ5. 「寄付アクション」を実行する

ステップ6. 集計して「寄付」を届ける

ステップ7. 報告と感謝を伝える

ステップ8. 振り返りと次回に向けて…

ステップ1. 仲間を募る —ひとりより、みんなで—

「寄付」を募る活動を一緒にはじめる仲間を集めます。

仲間と一緒に取り組むことで多くの方からの支援につながったり、寄付をしてくれる方の信頼につながったりします。

ひとりより、みんなで。

まずは、身近な人たちに「想い」を伝えて呼びかけます。

例えば、こんな人と一緒に…

友だち

家族

学校/クラス/部活動のメンバー

職場/部署のメンバー

自治会/ご近所

趣味の集まり/サークル活動/同窓会

お店の常連さん

飲み会に参加したメンバー

チームの名前を考えます。

寄付を呼びかける際に「誰が」呼びかけているのかをわかりやすく伝えるため、チームの名前をつけることをおすすめします。

わかりやすく、自分たちらしい名前を話し合って決めます。

例えば、こんなチーム名…

「東ボラ中学校○年○組 思いを届ける!被災地応援プロジェクト」

「Team hope! KYUSHU」

「NGO○○の会を支援する100万円チャレンジ」

「△△を応援する○○女子会」

ステップ2. 寄付先を決める

寄付を募る前に、あらかじめ集まった寄付金を「どこに寄付するのか」について、決めておきます。

災害時には、日本赤十字や共同募金会、自治体、その他たくさんの団体・NPO/NGOが寄付金を受け付けています。

また、現地で活動する団体が、活動の継続に必要な寄付金を募集していることもあります。

仲間と話し合って、寄付先の団体を決めます。

例えば、団体の探しかた…

東京ボランティア・市民活動センター等のwebサイトから検索する

東京ボランティア・市民活動センターやお近くのボランティアセンターなどに相談する

直接団体に問い合わせる前に、できるだけウェブサイトで情報を調べましょう。

ステップ3. メッセージを考える

寄付を募る際には、どんな想いで「募集活動」をしているのかが大切なメッセージとなります。

集まった寄付を届ける先の団体(寄付先)や、被災地に届けたいメッセージを仲間と一緒に考えます。

そのメッセージは、街頭募金の際にプラカードやボードに掲示したり、寄付を募る呼びかけチラシに載せたり、募金箱に貼ったりして、多くの方に伝わるようにします。

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例えばこんなメッセージ(東日本大震災のときのメッセージ)…

長友祐都選手(インテル):「どんなに離れていても心は一つ。一人じゃない、みんながいる! みんなで乗り越えよう! you'll never walk alone.」

ジェニファー・ロペスさん:「愛を送っています! 1分間、みんなで日本の人々のために祈りましょう。神様が彼らに希望と、勇気と、力を与えてくださいますように」

レディー・ガガさん:「WE PRAY FOR JAPAN日本の為(ため)に祈りを」

ステップ4. 「寄付アクション」(具体的な方法や計画)を決める

「寄付」を募る方法って募金箱とか、街頭募金のこと?

いいえ。それだけではありません。

寄付を募る方法はいろいろあります。

ここに例示した以外にも、仲間と一緒にいろいろなアイデアを出し合ってみてください。

募金箱

◆募金箱って? …募金箱をつくって寄付を募る方法です

どんな箱?…どんな箱を使うのか、特にルールはありません。自分たちで手づくりしてもOKです。

何を書く?…「ステップ1」で決めたチームの名前(誰が募金を集めているのか)、ステップ2で決めた寄付先の名前(誰に届けるのか)を書きます。「ステップ3」のメッセージも載せながら、「誰が・どんな想いで・なんのために」募金箱を設置しているのか、ひとめ見てわかりやすく伝わるように工夫します。

どこに置く?…募金箱を置く場所に特に決まりはありません。多くの方の目に留まる場所や集まったお金を安全に管理できる場所がお勧めですが、まずは職場のデスクやカウンター、学校の教室、近所のお店など、身近なところにお願いしてみるのがお勧めです。

いつまで?…いつまで募集するのか、何ヶ月ごとに集計するのか期間を決めておきます。

結果の報告は?…一旦集計したら、募金箱を置いてくれたところに対して、(寄付先に)寄付をした日付・金額を、感謝の言葉とともに報告します。

街頭募金

◆街頭募金って? …街頭募金は街角で、不特定多数の方から寄付を募る方法です

ポイントは?…不特定多数の方から寄付を募るときに大切なのは、信頼を得ることです。「ステップ1」で決めたチームの名前(誰が募金を集めているのか)、ステップ2で決めた寄付先の名前(誰に届けるのか)はもちろん、「ステップ3」のメッセージを発信しながら募ります。その際に、チラシを配布したり、メッセージを書いたボードを作成して首から下げたり、できる範囲で多くの情報を伝える工夫をすることが信頼につながります。

手続きや許可は必要?…街頭募金の方法や注意点についてはNPO法人BrainHumanity(兵庫県)が街頭募金マニュアルを、NPO法人日本ファンドレイジング協会街頭募金を行う際の10の留意点をウェブで公開してくれています。参考にしてみてください。

寄付宴会(飲み会・お茶会・食事会)

◆寄付宴会? …飲み会・お茶会・食事会などの参加費に寄付金分をプラスして開催し、寄付を集める方法です

例えば?…会費4,000円の食事会であれば、寄付金分1,000円を上乗せして「5,000円」の参加費とします。

ポイントは?…「寄付つきの参加費」ということが参加者に伝わっていることが大切です。「ステップ1」で決めたチームの名前(誰が募金を集めているのか)、ステップ2で決めた寄付先の名前(誰に届けるのか)を予め参加者に伝え、合意のもと協力してもらいます。

他には?…飲み会や食事会などの割り切れない釣銭を寄付する、という方法もあります。

報告は?…最終的に「寄付」できる金額を参加者のみなさんに伝えます。当日その場で伝えられない場合は、できるだけ後日、メールなどで御礼と共にお伝えします。

チャリティ・イベント

◆チャリティ・イベント? …参加費に寄付金分をプラスしてコンサートやパフォーマンス、路上ライブ、スポーツ・イベント(ボウリングやゴルフもOK)、パーティを開催して寄付を募る方法です

例えば?…いろいろなイベントがあります。いつものイベントを「チャリティイベント」にしてみたり、新しく企画をしたり。東日本大震災のときに他のグループが企画したイベントなどが参考になります。

広報は?…イベントが決まったら広報をして参加者を募ります。チラシをつくったり、ウェブにのせたり、SNSで呼びかけたり。対象に合わせた方法で情報を発信していきます。開催地域の近くのボランティアセンターなどでチラシを置いてくれたり、ホームページや機関誌に載せてくれることがあります。

ポイントは?…参加者を募る段階(広報)から、チャリティイベントの目的と寄付先を明示します。当日の参加者が「チャリティ・イベントに参加しているんだ」と実感できるような工夫をすると、そこから新たな支援や協力につながることがあります(第2弾の開催や当日の募金への協力など)。

報告は?…最終的に「寄付」できる金額を、感謝の言葉とともに参加者のみなさんに伝えます。さらにできれば、後日実際に寄付をした日付・金額を報告します。

バザー/フリーマーケット

◆バザー/フリーマーケット? …衣類や日用品、手づくり品を地域のバザーやフリーマーケットで販売して、売り上げ分を寄付する方法です

どこでやってるの?…東京近郊のバザーの開催情報は、リサイクル運動市民の会のウェブサイト等に掲載されています。仲間と一緒にブースを借りて出展をする場合は、それぞれの主催に申し込んで参加することになります。

自分でできる?…バザーは自分たちで主催して開催することも可能です。バザーでは、まずは品物を集めて(仲間からの寄付・持ち寄りなどで)、一つひとつの状態を確かめたり(販売できる状態か)、値段をつけたり(値札シールなどを貼る)の準備が必要です。大きなイベントに出展する前に自宅のガレージや玄関前のスペースで試しにやってみることもできます。

ポイントは?…来場してくれる方に対して、目的(寄付するためのバザーであること)が伝わることが大切です。ブースの周りにメッセージを貼ったり、通りかかる方にチラシを配布したりします。

報告は?…バザーでは来場者の方を特定して御礼を伝えることが難しいことがほとんどです。SNSやブログで発信したり、次回のバザーの際に感謝と報告を伝える掲示をします。

寄付チャレンジ

◆チャレンジって? …さまざまな「挑戦」を通じて寄付を募る方法です

どんな挑戦・方法があるの?…個人(またはチーム)が支援したいNPOを選び、何かのチャレンジ(ラン、ダイエット、禁煙などなんでも)して、家族や友人などさまざまな人からウェブ経由で寄付を募ることができます。その他にもwebを通じてチャレンジを応援してもらえるプログラムもありますので、検索してみてください。

★いろいろなアイデアを考えてみよう!

例えば、クラウドファンディング(インターネットを通じて幅広い市民から寄付を募る方法。「成果物(モノだけでなく報告書への名前の掲載等もある)を購入する形での寄付」や「クリックするだけでできる寄付」など多様なプログラムがあります。

いろんな方法で寄付を募ることができますので、友だちや仲間と一緒にいろいろなアイデアを出し合ってみてください。

ステップ5. 「寄付アクション」を実行する

寄付を募る方法が決まったら、実行する日にち・期間・場所を決めます。

実際に寄付を募る「アクション」をする前に、募金箱をつくったり、看板・ボード・チラシをつくったりの準備があります。

物の準備に加えて、実行日に想定されること、たとえば街頭募金のとき、通りゆく人びとに「どのように呼びかけるのか」やチームや募金についての質問があったときに「どのように答えるのか」などを相談しておくと安心です。

ステップ6. 集計して「寄付」を届ける

「寄付アクション」が終了したら、集まった寄付金を集計して、「ステップ2」で決めた寄付先に寄付金を届けます。

送金方法は寄付の受入団体によって異なります(ゆうちょ銀行、都市銀行、クレジットカード決済などいろいろな方法があります)。

振込の明細(領収書)は寄付をしてくれた方がたへの報告の際に大切な資料となりますので保管をしておきます。

ステップ7. 報告と感謝を伝える

寄付金を送ったら仲間や寄付をしてくれた方に報告と感謝を伝えます。

寄付者の方がわかる場合は直接感謝の言葉を伝えたり、メールを送ったりできますが、街頭募金などで寄付者の方が特定できない場合も、ホームページやツイッター、ブログ、次回の街頭募金の際に募金箱と一緒に「前回の寄付の報告」を配布したり、ボードを作成して多くの方に見ていただけるようにするなどの工夫もできます。

振込の明細(領収書)を報告できると、ちゃんと寄付先に届いたと伝えられます。

例えばこんなふうに報告しよう(東日本大震災のとき)…

3.13 募金のご報告(NPO法人ハンズオン!埼玉)

ステップ8. 振り返りと次回に向けて…

はじめての「寄付アクション」が終わったら、仲間で振り返りをします。

やってみて感じた事、嬉しかったこと、困ったこと、新しく気づいたこと。

これらは次回の「寄付アクション」のときに改善・工夫をするヒントになります。

支援・復興には、とても長い時間と多くのお金が必要です。

だから、みなさんの「寄付アクション」をどんどんバージョンアップして、何度もやってみてください。

みなさんの気持ちが被災地に届くように、そして、元気を失っている方がたを少しでも勇気づけられるように。

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