地球温暖化と日本<写真展>

地球の温暖化の影響で北極の氷が溶けていることや年々気温が上がっているという小さな情報は、誰もが一度は耳にしたことがあるはずです。しかし、実際に北極で起こっている変化を見たことのある人は少ないはずです。私たちが出来ることは少ないかもしれないけど、何が出来るか考えるきっかけになるような写真展です。


温暖化が実際にどんな形で起こるのか、正確にイメージ出来る人は少ないのではなでしょうか。今日、身の回りで起きている微小なあるいは大きな変化は温暖化の始まりです。

気温が高くなる、それが温暖化です、ではその次には何がおこるのでしょうか?

皆さんもご存知の通り地球は宇宙に浮いた一つのカプセルの様なものです、空気や水にまつわる環境の問題は一つの国の問題ではありません、汚染(あえて汚染と言います)された水や空気は国境など関係なくひろがって行きます。そしていつか地球カプセルは汚染されたものでいっぱいになる事でしょう。

温暖化は炭素ガスに汚染された空気が招く温室効果によって増長されて来ました、‘90年代にはまだ間に合うと言われていたのにもかかわらず、炭素ガスを減らす根本的な対策は少ないものでした。

‘88年初めて北極圏に旅した時に、すでに温暖化のうわさはありました。「地球は暖かくなっているそうだ」、そんな話を何人かのイヌイットから聞きました、試しに目の前にひろがる頑強な海氷の上で飛び跳ねたり、足で氷を踏みしめてみましたが氷はびくともしません、そんな話があることなど全く信じられませんでした。

しかしそれから僅か18年後の2006年北極地方は温暖化による大きな変化の年を迎える事となったのです。足を踏みしめ、飛び跳ねた場所はその冬海氷が完全結氷する事はなく、いつもならい犬橇を使える季節なのに浮遊する流氷でセイウチ猟のためのボートを出す事すら出来なかったのです。気温もいつもの年より暖かく、風の流れや海流の位置が変わってしまい、それまで行って来た狩猟の手段が通用しなくなって来ました。

海水温は10年前に比べてわずか0.6℃上昇しただけです、しかし本当に問題なのはこのわずかな海水温の変化でした。


日本で温暖化を感じるのは、ただ「暑い夏」であり「あまり寒くない冬」であったりします。紅葉せずに落葉してしまう木の葉、落葉もしないで冬を越す樹木が珍しくなくなって来ました。こうした自然環境の変化は着実に大きくなって来ており、植生への異変は小さなところからおき始めています。

写真は‘88年〜’94年に撮影した北極圏グリーンランドの様子です、この中の多くの場所で海が凍結せず、もう見る事の出来ない風景となっています。しかしその原因を作ったのはそこに住む人達ではなく、遠くはなれた場所で排出された炭素ガスなのです。


日時:2月8日(日)10:00~16:00

会場:飯田橋セントラルプラザ1階 区境ホール

定員:なし

写真:富澤 享 さん(写真家)

*このプログラムは、入場無料です。